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= スパイス大作戦 第10話 =

2魂目
『すくらっぷ・ブック』


『俺魂〜ORETAMA〜』とは!!
己が魂の命ずるままに語り尽くす
叫びの書!!
 
『俺魂〜ORETAMA〜』2魂目は…。
岩本佳浩が
『すくらっぷ・ブック』を叫ぶ!!

くらっぷ・ブック…。
 
自分が中学生の頃に触れた漫画である。
 

 
掲載誌は週刊少年チャンピオン
作者は小山田いく氏。
 
長野県小諸市にあるとされる芦ノ原中学校を舞台として
主人公達の中学2年から卒業までを描いた作品である。
 
主人公は晴ボン
 

 
そしてその親友、イチノ坂口
 

 
彼らの恋人達や友人達の奏でる青春群像劇。
 
彼らは1966年生まれの設定らしい。
僕の1つ年上だ。
だからだろうか。
憧れと共感を持って作品にはまった。

時のチャンピオンは人気があったので
僕もこの作品を読んでいたはずである。
しかし、この作品を好きになったのは
2巻に収録されているエピソードからである。
 
不知火が別れを悲しむ魂の火なら
ターコの貝笛はターコだけの不知火か
 
でも悲しみの火なんて何百年灯したって
幸せに変わるはずない
 
ターコの不知火はターコ自身の勇気で消さなくちゃ
俺になんか頼らず…。

 
メインキャラ、イチノのセリフです。
当時このセリフが凄く好きで暗記しました。
なもんで、うろ覚えで書き記してみましたが…。
秋田書店版2巻144ページと照らし合わせると…。
 
違う^^;
微妙に言い回しが違う^^;

間違って覚えたのか、それとも○十年の年月が
風化させてしまったのか…。
 
上記のセリフは間違っていますのでご了承下さい^^;
 
と、セリフを覚えるくらいこのエピソードにはまり
そこから大ファンになりました。
そしてその感情は
「自分も漫画で何かを伝えたい」と言う願望へと変わりました。
 
もしかしたら、自分の甘酸っぱい作品好きなのも
この作品の影響かもしれません。
とにかく、恥ずかしく甘酸っぱい!!
青春真っ只中の主人公達!
恋に友情に大忙し。
そんなキャッチコピーが似合う恥ずかしさ。

ずかしさの頂点は秋田版7巻から収録されている
第62話「悪者はいないのに」から続くシリーズ。
 
今まで恋のお手伝いに奔走していた主人公・晴ボンたち。
それまでは上手くいっていたものの、
ここに来て思惑通りにことが運ばない。
思い悩む主人公達。
それとは関係無しに一人で立ち直る友人。
そこでメデタシメデタシとはならず、
今までが恵まれていただけと、
自分達の無力さを痛感する主人公3人組。
 
そんな晴ボンたち3人に手をさしのべる
(晴ボンのライバル)雅一郎
雅一郎は夏休みに予定していた海水浴のお金
(と、貯金)を使い,彼らに
直江津までの乗車券と宿の手配をしていた。
自分達の見つめなおすために旅に出ろ、と言うのだ。
 
好意を受け入れ旅に出る3人。
彼らがそこで得るものは?

読むとかなり恥ずかしいストーリー展開だが、
当時に自分はそれに憧れていた。
そして今でも、彼らの織り成す世界観に憧れている。
心地よいのだ。
人がなんと言おうと心地よいのだ!!

 
人によって心地よい場所は違う。
この作品のような、甘酸っぱい世界、
──人によってはうそ臭いと言う表現にもなるだろうが、
俺には心地よいのだから仕方ない。
そんなに上手くいくかよ、と言う突っ込みは野暮と言い切る。
美談を終点として話を作ったとしても何が悪い!?
僕は読者さんたちに現実を省みない作品を
読んでもらいたい訳ではない。
人生の中でちょっとした心地よい時間、もしくは場所を
提供できたら嬉しいのだ。

なぜなら僕が漫画にそういう場所と時間を
与えてもらってきたから。
 
読後に心に重いしこりを残す作品は他の漫画家さんに託す。
心に訴えはしたい。
でも、読後感は気持ちよく行きたい。

ちろん僕自身これから歳を重ね、
考えも変わることもあるだろう。
ここに書き記したことも思い出となることもあるかもしれないが
この「すくらっぷ・ブック」と言う作品から受けた思いは
いつまでも心に残しておきたい。
中学時代に彼らと出会えたことに感謝しながら…。
 
◇  ◇  ◇  
 
ノ森先生原作のテレビ作品が自分のヒーローの原点なら、
すくらっぷ・ブックは僕が漫画家を目指した原点です。


2魂目 〜了〜

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