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= スパイス大作戦 第8話 =

1魂目
『仮面ライダーストロンガー』


『俺魂〜ORETAMA〜』とは!!
己が魂の命ずるままに語り尽くす
叫びの書!!
 
栄えある『俺魂〜ORETAMA〜』1魂目は…。
岩本佳浩が
『仮面ライダーストロンガー』を叫ぶ!!

ぜ、ストロンガーか?

ベーシックな魅力ではやはり1号2号に軍配が上がると思う。
発展させ、よりヒーロー的な格好よさを追求されたV3
この辺がやはり基本だと思う。
ライダーマンはマニアックな魅力がある。
は後半がどうだと言う意見もあるかもしれないが
メカニックな格好良さが魅力。
そしてアマゾン。独特な色使いとアクションから生み出される
ストレートに伝わる異形のヒーロー。
見方によれば仮面ライダーと言う作品を
一番ストレートにリメイクしていると思われる。

ストロンガーは…。
いきなり見たら格好悪いかもしれない。
でかい胸に埋もれた首、
そこにどんと乗っかっている大きな頭。
でかく目立つ角。
こんな角、今までのライダーにないよ、と
当時のませた子供が言いそうだ。
そして、不自然に大きな目。
これがまた鮮やかな黄緑で、穴がいっぱい開いている。
怖い。

しかし、そのシルエットから生まれる、強烈なまでのインパクト
そして力強さ!!
そこに自分が魅了されたと知ったのは随分後になってからだった。

◇  ◇  ◇  

1986年。
奈良。
自分は浪人生だった。
そんな時に講談社から発行された本がある。
仮面ライダー大全集』。



ウルトラマンなどの巨大なヒーローよりも
等身大のヒーローが好きだった。
その中でも自分にとって仮面ライダーは至高のヒーローだった。

変身!!

その掛け声が自分をヒーローにしてくれた。
自転車を乱暴に乗り回した。
自分の根に確実にその雄姿は焼きついていた。

焼きついてたが、それは心の奥に眠っていた。
その後、宇宙刑事の登場などで、ヒーローへの思いは
仮面ライダーの記憶の上にどんどん上書きされていった。

そんな上書きされた思いを件の本はあっさりと掘り返した。

当時、ムック本と言うのはあまり興味が無かった自分だが
その本はすぐに購入した。

旧1号の荒削りな魅力。
そして新1号のブラッシュアップされた魅力。
歴代ライダーが記されたその本の中で、ひときわ目を引いたのが…。
仮面ライダーストロンガーであった。



強い!!
こいつは強い!!


素直にそう思わせるフォルム。

今まであまり考えていなかった、自分の嗜好が
その時につながった。

ウルトラマンタロウ
ガッツ(少年探偵団BD7)。
ゲッターロボG(ドラゴン)。
ZZガンダム

作中での演出とかではなく、
とにかく見た目で強そうなのが自分の琴線だったのだ。
角がついた顔。
アメフトのプロテクター。
∀より早い口から伸びるトゲ。
波動砲をつけた頭。
みな、デザインで強さを表している。

あまりにも子供だ。
子供の感覚だ。
でも、それゆえにストレートに言える。

俺は仮面ライダーストロンガーが好きだ!!



余談だが僅差で次点は2号ライダーである。
偶然か好みか。
強さ以外の共通点がある。
黒と赤
このカラーリングである。

だが、記憶の中のストロンガーはあまりにも曖昧だ。
この曖昧さを取り払うにはLDの登場を待つのである。

◇  ◇  ◇  

度見直したストロンガー。
そこに映し出されるのは無敵のヒーローであった。

強い。
笑い話にされるセリフだが、ピンチを脱したときに
「そんな事俺が知るか」「貴様には教えん」 などの
セリフがある。
そこにもしびれる。
そう。
ストロンガーは強いのだ!!
だからそれでいいのだ。
機転を利かしてピンチを脱するシーンはこのヒーローには意味が無い。
強いのだから。
颯爽と我々の前に現れてくれれば良いのだ。

そう。
1話からしてそうだった。

ブラックサタンが悪さを働く。
そこへ口笛とともに城茂が現れる。
そして憎まれ口を叩く。
そして変身。

そこに説明は無い。
改造の経緯とかは次回へ見送られる。
そしてとにかく強さを演出する。

演出とデザインのマッチングの妙
そして「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ…」から始まる名口上。
これに尽きる。

しかし、何度か見直してると自分の中でストロンガー・城茂の解釈が
だんだんと変わってくる。

尊大なまでの自信家。
そう見えていた城茂だが、自分の中で育った彼はそうではない。

強がっているのだ。
やせ我慢だ。


親友の敵を討つためにわが身を改造した男。
そうする事でしか親友の死と自分の憤りを
すり合わせることが出来なかった
不器用なまでに実直な男。

だから、強がる。
自分で選んだ道なのだから弱音ははかない。

そして、ストロンガーの快進撃は意外な形で覆される。

◇  ◇  ◇  

ルザー軍団!



屈強の幹部クラスの集団にストロンガーは一度は敗退する。
そして、タックルとの死別。



悲しみを乗り越え、再改造によるパワーアップ

追い込まれた時に、たまたま目の前に垂らされた蜘蛛の糸。
その糸はあまりにもか弱い。
そう。成功の確率が極端に低いのだ。

きっと特訓で解決するなら、どんなに苦しくてもその道を選んだことだろう。
しかし、時間がそれを許さない。

愚直なまでに人を信じ、賭ける。
あまりにも城茂らしい。
果たして手術は成功し、茂はより強い力を得る。

だが、本当に強い力はその後に得る。
歴代ライダー

おやっさんの瞳に映る7人の顔。
それはおやっさん…、立花藤兵衛の視点…。
ひいては僕たちに視線と思わせる。
共に命を懸けて戦い、勝利し…。
そして、仮面ライダーの物語はひとまず幕を下ろす。

◇  ◇  ◇  

面ライダーストロンガーと言う作品は
その力強いシルエットに魅了されるだけではなく、
城茂と言う、一人の男の生き様を垣間見る…。
そんな作品であると思う。


最後になるが…。
ストロンガーって…。
名前からして強いよね。




1魂目 〜了〜

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