スパイスマン＠ネトラジ -スパイス大作戦-

= 第１話 =

『スパイスマン全滅!? 初めてのダルカレー!!（その１）』

岩本は焦っていた。
ガンプラエクストリームのネームが完成しない。
いや、正直それ以上にあることに緊張していた。
"あれ"は成功するのだろうか…。

いや、成功させねばならないのだ。
これはリベンジなのだから。
スパイスマンの肩書きを持った自分が
過去の自分の失敗へのリベンジをするのだ！

スパイスからカレーを作る。
大学生の自分はその挑戦に敗北を喫していた。
しかし…。
今なら!!
今なら出来る!!
根拠は無いがそう信じた。

いや、根拠はある!!
今なら、ネットでレシピを見放題だ!!
その通りに作れば大きな過ちは無い。
…無いはずだ。
例え腕に自信が無くても…。

しかし、一人で食べるのも味気ない。
スパイスマンのメンバーと食べよう。
うちでカレーパーティーだ!!

早速メンバーに連絡を取る。
そして決行の日が決まる。
2009年4月29日。
昭和の日。

次の問題は何カレーを作るかである。
そういえばスパイスマンメンバーは
ダルカレーが好きだ。
ダルカレー。
つまり豆のカレーだ。
元みどりの日にはぴったりだ。

そう言えば、スーパーでカレーにも使える
煮豆が売っている。
それを使えば楽勝…。

それで良いのか？
ふと疑問が生まれる。
そこで楽をしてリベンジといえるのか？

いや、言えはしない!!
だが、ダルカレーで有名なものはひよこ豆。
そんなものが気軽に手にはい…。
入った。
スーパーで売っていた。
れんず豆も売っている。
誰が何に使うのか良く判らないが、これで決まった。
豆を煮るところから始めよう!!

しかも最近はスーパーですら"スパイス"が気軽に買える。
ネットで検索したスパイスは全部最寄のスーパーで買えた。

しかし問題がある。
インドカレーの風味を出すにはスパイスだけではいけない。
ギー…。
インドなどで食用にされている乳脂肪製品。
恐らくこれを使うか否かで風味が大きく変わるはずである。
だが、さすがにそんなものまでスーパーでは売って…。

うむ。売っていない。

こういう時はネットである。
すると、ギーを使ったレシピを乗せているサイトで
通販もしている。

900g…。

これから先、使いきれるのか？
いや、それを言うならば先に買い揃えたスパイスも
使いきれるかどうか怪しい。
既に犀…。
もとい、賽は振られているのだ。

これでダルカレーを作るための買い物はすんだ。
しかし、もしこれが食べられるものにならなかったら…。
一抹の不安がよぎる。

そう言えばまだ冷蔵庫にカレールーが残っている。
予備のカレーも作ることにする。
有賀が後に語る。
「予備を準備するあたりが岩本さんらしい」

何かのスイッチが入った。
イメージが膨らむ。
ナンが欲しい。
だが、ナンなどどうやって作ると言うのだ…。

最近は本当になんでも売っているのだな…。

またもや、スイッチが入る…。

チャイが欲しい。
ネットで調べる。
再びスパイス購入。

とことん突き進む。
デザートはチャイだけで良いのか？
そう言えば、これまた大学生の頃、かぼちゃのデザートを作って
今ひとつであったことを…、よせば良いのに思い出す。

果たして、頭の中でメニューが出来上がった。

メニューが決まるまでで、このテキスト量と言うのも心配な話だ…。

＊＊＊＊＊

そしてダルカレーの日・前日を迎える。

＊＊＊＊＊

前日から来てくれているへこ君（スパイスマンweb技術顧問・特別メンバー）と
部屋の片付けを始める。
右のものを左へ。
下のものを上へ。
僕の片付けとはそういうものだ。
その場しのぎの空間が生まれれば良い。

そして宴の場所は生まれた。

まずはデザートを作る。
目指すは「かぼちゃのムース」!!
生クリームとメレンゲが必要である。

うちにはなぜか、泡だて器がある。
男なら、この手動の泡だて器で勝負だ!!

……。
うそ。
そんな根性無い。
てなわけで…。

チャララッタラ～。
「ハンドミキサぁ～」

えぇ。
買いました^^;
今後いつ使うか判らないのに買いました。
実際、ただの泡だて器もここ数年使っていないのに…。

気を取り直して行こう!!

まずはかぼちゃを…

蒸した!!

ほじった!!

裏ごした!!

そして牛乳を加える!!

いい感じだ。
さすがにここまで失敗する要素は無い。
軽く温めて馴染ませる。

その間に新兵器・ハンドミキサーの出番だ。
生クリームを…

撹拌！撹拌!! 格さん!!!

ハンドミキサーをしっかり洗ってから卵白を…

撹拌！撹拌!! 助さん!!!

卵白は怖い。
なかなか固まらないくせに、変化がおきると一気に進む。
つか、どの程度固めていいのか判らない。
角がたつくらい、だと？
そんな大雑把な。
そういう経験に基づく書き方で判ると思うなよ。
しっとりした角か？
エッジが効いた角かぁ!!??

で、そのすばやい変化についていけず
エッジが効いた角が経つほど固まりました^^;
ムースってこんな舌触りじゃないよなぁ…、と
不安に駆られながらも気にしないで進む。

ところで…。
今回のデザート作成に合わせて、グラニュー糖を買ったのだ。
うちには黒糖しかないので。

で、1kgとか買っても仕方ないので、スティック状のやつ。
そう。喫茶店とかにある奴ね。
あれを買ったのだ。

その1本あたりのグラム数を勘違いしていて…。
結構甘さ控えめの分量になっているのだ。

ま、大人の味と言うことで良しとしようか^^;

さて、これで3つのスピリチュアル（何か違う）が揃った。
次はこれらを混ぜればいいのだ!!

まずはかぼちゃと生クリーム。
うっかり混ぜ始めたときに、ある事を思い出す。
再度のかぼちゃの裏ごしだ!!
とりあえず、やり直す^^;

で、お気づきだろうか。
ワタクシ、ここで重大な失敗をしているのだ!!

かぼちゃに生クリームを混ぜるのであり、
生クリームにかぼちゃを混ぜるのではない!!
似て非なるもの!!!

結果、それなりに生クリームの"だま"が出来た。
………。
ドンマイっ!!

そしてメレンゲ投入。

3回に分けて入れるらしい。
1回目はしっかりと混ぜ、2回目以降は軽く混ぜる。

やはり…。
メレンゲが硬く感じる…。

そして、ボールの中でそいつは産声をあげた…。

なんか…。
もったりしてるなぁ^^;

味見？
しないよｗ
死なばもろともです。

これをカップに入れて冷やす。
食後まで待っててね。

＊＊＊＊＊

お次の下準備。

ダルカレーの主役！
豆の下準備。

今回使用するお豆。

これ…。
普通に家庭の食卓にのぼるものか？
なんで売っているんだ^^;？

豆は一晩水につけてから煮るのが常識らしい。
やったこと無いから知らない。

豆を良く洗い、水につける。

これで下準備終わりだ。

さて、へこさんと飲みに行って、明日に備えよう!!

　　　　ダルカレー編・その2 へ続く

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